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FF14とは関係ない記事で恐縮ですが・・・。





その方はいつも笑っている人で、私の記憶にある顔はすべてが笑顔。 

棺の中のお顔も、笑っているように穏やかなものでした。




病院にお見舞いにいくといつも、ほとんど動かない体を一生懸命動かして手を差し伸べてくれました。

最後に握ったその手はほとんど肉感を感じられず、しわしわで堅く冷たい。ほとんど生を感じられないその手で、今度は娘の手を握ってくれました。

おっかなびっくりの娘。

ベットの上の女性は小さな小さな消え入りそうな声で短くつぶやかれました。

「大きくなった」


次の瞬間、脈拍や心拍数を計測していた機器がピーピーとアラート音を上げました。

私は驚いてナースコールを押そうかと思いましたが、すぐに看護婦さんが入室してきてくれました。

騒然とする病室で看護婦さんが危機をチェックするとすぐにアラート音は消え、それから看護婦さんは笑って言いました。

「嬉しくて血圧があがっちゃったみたいね」 

私の心臓が止まるかと思いました。


それから5日後のこと。

21時に自宅の電話が鳴りました。

電話は看病している方からでした。






大往生と言っていいお歳です。

ひ孫も多くいらっしゃいます。

人生をfullに生きられたような人でした。

それでも私は悲しくて悲しくて仕方がなかったです。



式が滞りなく済んで棺が霊柩車に乗せられて出発する時には、悲痛な面持ちの一同に言葉はありませんでした。

ただただ沈黙の時間。

ただ一人、小さくなっていく車に向かって手を振る娘が言葉を発しました。





「おっきいおばぁちゃん ばぃばぃ」